シンガポールのインターナショナルスクールを選び方としては、以下3つのステップを踏んで検討されていくことがおすすめです。
- STEP1:膨大な数の学校を3つの項目を使って、ある程度ショートリスト化する。
- STEP2:ショートリスト化した学校について、詳細検討項目で情報を整理し、学校訪問をする3~5校を決める。
- STEP3:実際に学校訪問をし、先生・生徒の印象、施設の雰囲気などを自身や子供の直感・フィーリングで決める。
STEPごとに説明していきます。
STEP1:数多くある学校を3つの項目で絞り込み、ある程度ショートリスト化する
→3つの項目とは、以下の「学費」「カリキュラム」「学校の評判・卒業生の進学実績」です。
- 学費
とにかく高いです。最近の円安もあいまって、日本のインターナショナルスクールより高く、肌感的には1.5倍くらいの印象です。シンガポールのインターナショナルスクールのマーケットは、中国・香港からの富裕層の子供が多く、それらをターゲットにした御三家名門校や、イギリス名門校などは、最も学費が高いですが、それ以外にも、中間のレンジの学校、Budget International Schoolといわれる格安インターなどもいくつかあり、どのレンジの学校にするかを、ご家庭の懐事情と、子供の教育にかけるお金の考え方などと照らし合わせて決める必要があります。 - カリキュラム
これも複雑怪奇で、日本人が転校する際に、まず思考停止に陥りがちなポイントです。ただ欧米の駐在ファミリーの話を聞いていると、まずはこのカリキュラムで絞る、という人が多いので、本来はとても重要なポイントです。 - 学校の評判・卒業生の大学進学実績
一般的に、シンガポールで評判が良いのは、昔から御三家と言われている以下3校です。
Tanglin Trust School(TTS)
Singapore American School(SAS)
United World College SEA(UWC)
それに加えて、2014年にシンガポール校ができたイギリスの名門校Dulwichも有名です。
Dulwich College Singapore(DCS)
私の友人のシンガポール人のご子息は、イギリスのDulwichに通っていたのですが、シンガポールに帰国後は、Dulwichがあまりに場所的に遠い、と嫌がり、シンガポールではTanglin Trust Schoolに通わせていました。その際も、3年前の時点で、デポジットを全額払い、席を確保したと言っていました。
STEP2:ある程度絞り込んだ学校について、詳細検討項目で情報を整理し、学校訪問をする学校(3~5校くらい)を決める。
検討項目としては、以下のようなことがあります。
- 場所
シンガポールは、狭いので、どんなに辺鄙な学校でも、スクールバスで1時間以内で通えるので、あまり場所は心配しなくてよい、というのが一般的なアドバイスです。しかし、私個人は、やはり学校と家は近いに越したことはない、と思っており、実は私自身は結構場所は重視しました。スクールバスの乗っている時間は、子供にとっては無駄な時間になるし、そこに往復1-2時間かけるなら、他のことに時間を費やした方が効率的ですし、時間だけでなく、スクールバス代が節約できる可能性もある。またこちらのインターナショナルスクールは、両親が学校に招待されるイベントが多々あり(おそらく全部に参加する必要はないのですが、頻繁にParents are welcomeと書かれたイベント案内が届きます)、自分が学校に行くことを考えても、学校と自宅は近い方がよいです。 - 子供の学年に空きがあるか?希望の時期に入れるか?
これは、実は非常に重要な問題で、これでかなりの学校が候補から落とされてしまう可能性があります。コロナ時期は、一時的に名門校でも外国人家庭の数が減り、すぐに入れた、なんていう話もあったようですが、今はまた外国人家庭の数が戻ってきており、特に中国・香港からの富裕層の数がすごく、彼らの財力はすごいので、2、3年前からポーンとデポジットを気前よく払って、すぐに席を抑えられているようです。そのため、半年後に入りたい、とか、アカデミックイヤーの真ん中で入りたい、みたいな突然決まった転勤への対応は、そもそも無理、という学校(特に御三家、名門校)があります。 - ESL(English as Second Language)クラスの充実度
- 日本語(母国語)教育の充実度
- 学校の規模(大規模校か、小~中規模校が良いのか)
- スポーツ、音楽などの課外活動が充実しているか?
- アフタースクールクラブ(放課後のアクティビティ)が充実しているか?無料か、有料か?
STEP3:実際に学校訪問をし、先生・生徒の印象、施設の雰囲気などを自身や子供の直感を大事にして、最後は決める。
最後は、実際に訪問してみて、フィーリングで決めましょう。学費が高く、入学時の一時金(入学金や施設金など返金されないもの)も多額なので、決断はくれぐれも慎重に。いったん通い始めると、制服やら、教材やらそろえなくていけないものも多く(学費には入っていないので追加費用)、転校もそんなに簡単にはできません。(ちなみに私がすこし話した教育コンサルタントは、学校みんなどんどん転校しますよー、と気軽に言っていたが、それは、お金に糸目をつけない富裕層ケース。際限のある庶民はちゃんと賢くお金を配分する必要があります)